2012/03/21 Wed
川口葉子さんの『東京の喫茶店 琥珀色のしずく77滴』で知ったカフェ、
内幸町の草枕さんに向かう道すがら、
僕は先日の「小さな喫茶店の作り方」講座で
堀口俊英さんが仰っていた言葉を思い出していました。



「僕らのターゲットはズバリ富裕層。
スタバのように混んだところは嫌、
ゆったり美味しい珈琲を飲みたいという方たち。
でもね、実はお客様は富裕層だけじゃないんですよ。
いるんです、お金が無くても『好きな人』がね。
とにかく好きなんですよ、珈琲が」

東京駅から遥々歩いて草枕さんまで向かう僕は、
まさにお金は無いけど「好きな人」。

そんなことを思っていたら、到着しました。



外観はちょっとした小料理屋という感じ。

扉を開けても、
すぐには中が見えないようになっています。

カウンターと2人席が4席くらいの小さなお店。

「いらっしゃいませ」

スラっとしたマスターは白髪まじりですが、
肌の張りなどの感じから
実際はまだお若いのではないでしょうか。

注文したのは濃いめの珈琲。

オフィス街の真ん中にあって、
店内はピアノのレコードが控えめに流れるとても静かな空間。

しずくがたまると
ししおどしのようにカチッと音を立てる水出し珈琲の抽出器が、
また良い雰囲気を演出しています。

店内にもカウンターにも本がいっぱい!

とっても落ち着く空間。



「お待たせしました」

残念ながら席からは良く見えなかったのですが、
恐らくネルドリップで供された一杯。

「豆はブレンドですか?」

「いえ、メキシコのストレートです」

「豆の種類は定期的に変えるんですか?」

「いえ、気分で、というと語弊があるかもしれませんが、
仕入れの状況ですとか、自分の追求する味によって変えています」

なるほど、と思いつつ、一口。

点滴に近いネルドリップで抽出されたのが分かる湯温。

珈琲に詳しくない方が飲んだら、

「なにこれ、ぬるい!」

と言うだろう、お店としては攻めの温度です。

僕は猫舌ですし、温め直しをしないところも
マスターのこだわりであることが分かるので、
これだけで好感を持ちました。

肝心の味も、深煎りの良さがしっかり出ていて、
コクと甘みが僕好み。

個人的にはもう少し苦味が強めでも良いと思いましたが、
それでも美味しい!

冷めるごとに甘みが強くなる味を、
ゆっくり堪能しました。

お人柄を感じさせる優しい一杯。

「ご馳走様でした。
焙煎もこちらでされてるんですか?」

「はい、表参道の大坊珈琲店はご存知ですか?
私はあの珈琲が好きなものですから、
同じ手廻しロースターを使っているのです。
少しでもあの味に近づけたいと思っているんです」

どこまでも控えめなマスター。

いえいえ。

言葉ではお伝え出来なかったのですが、
僕は大坊珈琲店よりも草枕さんの珈琲の方が、
好きですよ。

それはもう充分、
フォロワーではなくオリジナルの逸品です。

今度はカウンターにお邪魔して、
文学や音楽の話もしたいな。

ご馳走様でした。
きっとまた伺います★


草枕コーヒー専門店 / 虎ノ門駅内幸町駅霞ケ関駅

昼総合点★★★★ 4.0

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